恋口の切りかた

私はただ、

刃引き刀は刃をつぶしてあるから、
「人を斬り殺すことができないので」突きを中心に繰り出したのだ。

刃引き刀でいくら「斬撃」を繰り出しても、相手に本当の危機感を与えることはできなくて、相手を追い込むことにはならなくて──


なのに、円士郎も清十郎も「斬り合い」をしていた。


だからそれを見て、思い切りが足りないと思った。


刃引き刀は人を「斬る」ことはできなくて──でも、切っ先で突き殺すことならできる。

普通の刀と同じように。


当然、刀を握る手を切っ先で突けば、相手は勝負にとって致命的な傷を負う。

なのに、二人ともどうしてそういう攻撃をしないのかなあ、と思って──


もどかしい感じがしたのだけれど。


そんなことを考えながら突っ立っていたら、


「留玖、後で私と少し手合わせをしようか。

鏡神流の継承に関して、江戸にいる晴蔵殿に書状を送る必要があるかもしれない」


虹庵が私を見下ろして、そんなことを言った。