恋口の切りかた

おおお! という歓声が周囲からわき起こった。


く──、と清十郎の喉からうめきが漏れる。

「留玖、お前……試合で相手を殺す気か?」

清十郎は、困惑した顔で私を見つめてそんなことを言ってきて、

「それとも、試合で自分が死んでもいいと思っていたのか?」


私は刀を引きながら、きょとんと首を傾げた。


「まさか……」

この人は何を言い出すのだろうと思った。

「私、ちゃんとあなたの打ち込みは避けてましたし、こうして突きだって寸前で止めましたよ?」


相手の困惑が理解できなくて、眉を寄せながら清十郎を見上げた。


「ただ、エンもあなたも──動きに思い切りが足りないようだったので……」


負ける気が、まったくしなかった。

私は試合を始める前の、奇妙な感覚を思い出す。


私は、刃引き刀を手にして清十郎と向かい合った時──「誰と戦っても」負ける気がまったくしなかった。

何故なのか、自分でもよくわからなかったけれど。