恋口の切りかた

この手の温もりを、絶対に失いたくない、と思った。


やがて休憩が終わって、

私は、刃引き刀を手にして清十郎と向かい合って立った。


氷のような清十郎の目はぞっとして、体の芯が冷たくなっていくようだったけれど、

手の中の刀の感触を確かめて、私は心を落ち着ける。


今、この場では、
私は自分を自分で守ることができる。


円士郎が見せてくれた、さっきの二人の勝負をもう一度思い描いて、


「始め」

虹庵のかけ声で、私は刀を構えた。


木刀同士で戦った時のように、
清十郎が男の力を生かして打ち込んでくる。

私も木刀を構えた夜と同じように、その剣撃をさばいて──

真っ直ぐに、刀を構える清十郎の手を切っ先で狙った。


清十郎が鍔を使ってそれを弾く。


間髪入れずに、私は今度は彼の喉元を狙う。


それも、清十郎は冷静に身を捻って避けた。


さすが。

私は直ちに刀を引いて、


反撃に転じてくる相手の剣をぎりぎりでかわす。

ぞくぞくした快感が背を走り抜ける。