恋口の切りかた

まるでここ最近の出来事が全て、清十郎を中心として起きているような──そんな感覚を覚えながら、役宅を後にして、

留玖と共に、町人の格好をした城代家老と連れ立って歩いて、

ふと、青文が俺たちを見て
改まった調子で口を開いた。


「円士郎殿か、留玖殿か──どちらか、国崩しの断蔵の腕はご覧に?」


問われて、俺と留玖は顔を見合わせた。


「俺は──俺の刀を奪って斬りかかってきた腕なら見たが……本来の獲物じゃねえし、薙刀の腕とは程遠いだろうな」

「私は──あの女の人が薙刀を振るうところを見ました」


留玖の言葉を聞いて、青文は緑色の双眸を鋭くした。


「どうでした?」

「……とても、強い人だと思います」

「皆伝の腕前である秋山や神崎、私と比べて、どうです?」


留玖は脳裏にあの艶やかな女を思い描いているのか、しばらく考えこむような素振りを見せてから、

「武器の性質もありますけど……」

と、おずおずと答えた。

「神崎さんは少し分が悪くて、青文様で互角、隼人さんは──屋内なら、並ぶことができると見ました」