恋口の切りかた

確かにこれは──根本的に話が変わってきそうだ。


「国絡みの陰謀ってことかよ……!?」

うへえ、と言って隼人が頭を抱えた。

「関わりたくねー。藪蛇っつうかさわらぬ神に祟りなしっつうか……」

「言ってる場合か!」

帯刀も顔色を変えた。

「真実ならば──」

帯刀は目線を泳がせて、

「──どういうことだ!?」

頭がついて行かなかった様子で聞き返した。

どうやらこの偉丈夫も、突然大きくなった話にかなり恐慌状態に陥っている様子である。


「まさか……年貢を吊り上げた真の目的は──そういうことなのか?」


俺は冷静に、藤岡に言われた「物事には裏がある」という言葉を思い出して、


「国内で反乱が起きたら──お家がお取り潰しになる……から?」

農民の出である留玖が、すぐにそれに気づいた様子で言った。


「つまり──どういうことだ!?」

帯刀がまだ恐慌状態のままで繰り返して、


「現状ではただの憶測だ。滅多なことは口にするもんじゃないが──」

青文が口の端を吊り上げた。

「清十郎が、この国を内部から崩すために氷坂家から送り込まれた──かもしれないってことだろうねェ」


だとすると──善政を行っていた青文は完全な邪魔者だ。

清十郎が真っ先に排除しようとしたのにも合点が行く。


だが──


「待てよ」

俺は不可解なことに気づいて声を上げた。