恋口の切りかた

こちらが思い通りに扱っているようで、導かれるままに相手の意図した動きに誘い込まれているような──そんな女の上等な肌には、隅々まで探し尽くしても彫り物どころか傷一つない。


「何か、お探し?」

女がくすくすと、未だ余裕の笑い声を立てた。

「ん~? もっとあんたを乱れさせる場所をな」

「それなら歓迎ねェ。……でも」

ぴたりと、女の笑い声が止まった。


「三本足のカラスなら、私は飼ってないよ、坊や」

「──何だと?」


白い足の付け根へと這わせていた舌を止めて、俺は女から身を離した。


「てめェ、いったい──!?」