恋口の切りかた

「そ……それに、少しだけって言ったのに……っ」

「ん?」

「全部はしないって言ったのに……!」

私を見下ろす円士郎の目が大きくなって、


彼は盛大に吹き出した。


「な……何がおかしいのっ?」


腹を揺らして笑っている振動が伝わってきて、私は円士郎を睨んで、


「だってよォ……!」

円士郎は目尻に涙を浮かべて笑い転げながら、私の頬に手を伸ばして撫でた。

「お前があんまり可愛いこと言うからよ」

「えっ……え?」

「お前、あれ、全部だって思ったのかよ」

「ふえ?」

間抜けな声を出して、ぽかんとなる私を布団の中で抱き締めて、円士郎はけたけた笑った。

「可愛いよなァ。ホントにお前、何にも知らねーんだな」

私はぽけっと彼の言葉の意味を考えて、

「ち……違う……の?」

今度こそ顔が燃えるような気がした。

「全部じゃないの……?」

だって、

私、十分凄いことされたって思ったのに……



……あれ以上、何するの?