恋口の切りかた







目が覚めると、障子の外が明るかった。


私は飛び起きて、

「まだ早ェよ。俺たち以外誰も起きてねーって」

すぐそばで円士郎の声がして、一気にほっぺたが大火事になった。

慌てて、着物の前を合わせようとして、

「着物なら俺が寝る前にちゃんと元通りにしてやったろうが」

円士郎が可笑しそうに言った。

おそるおそる円士郎のほうを向いて、横になったままの彼の寝間着のほうは前がはだけたままで、

私は大急ぎで顔を逸らして──


「寒ィだろ。まだ中にいろよ」

円士郎の腕に包み込まれて、再びころんと横に転がされてしまった。


目の前に円士郎のはだけた胸があって、心臓がまた大騒ぎを始めて、


「う……うそつき」

私は恨めしい思いで、おでこのすぐ上にある円士郎の顔を睨み上げた。

「あァ?」

円士郎が語尾を上げて、

「な……何もしないって言ったもん」

「あァ」

今度は語尾を下げて、くっくっく……と嬉しそうに喉を鳴らした。