恋口の切りかた

円士郎の言葉で、急に罪悪感が蘇って、

同時にきゅうっと胸を締めつけられるような感じがして、

「ごめんなさい……もう、しないから……」

謝ったら、肩の後ろから円士郎が顔を寄せて、
彼のほっぺたが私のほっぺたに触れて、

「好きだ、留玖──」

頬に唇が押し当てられて、
それから、大きな手がそっと私の体を彼のほうに向けて、

すぐに唇同士が触れた。


柔らかな感触の間から、温かいものが入り込んできて、



あ……おさしみ……



口の中で円士郎が絡みついてきて、そこから全身がしびれていくようで──



固く閉じた瞼の間から涙がこぼれた。



どうして、おさしみって言うのかな……?



温かい水が、目からぽろぽろこぼれ落ち続けて、

私はとろけていく頭の隅っこでそんなことを考えた。


おさしみを食べさせてもらってるみたいだから?


柔らかい食物を与えられているように、私の中は円士郎の気持ちをもらって、いっぱいになって──

でも、代わりに全身の力はどんどん抜けて、吸い取られていく気がした。

食べさせてもらっているのに、円士郎に食べられていくみたい。


唇を重ねたまま、
彼の手が私の髪に伸びて、髪紐をほどいて、

肩に髪がさらさらと落ちてきた。