恋口の切りかた

円士郎がもう一度私を抱いて、


「お前、弱ってる俺から刀を奪って遠ざけて、風佳の自害だって止めたじゃねえかよ」


耳元で囁く声は今にも泣き出しそうで、


「くそっ……そんなお前が、なんでだよ……」


私が聞いたこともないような取り乱した口調だった。


「留玖……嫌だ──」


円士郎の唇が頬に触れて、

頬に、
額に、
首に、

何度も口づけを繰り返してくれて、


「あ──」


私はやっと、馬鹿なことをしたと思った。


「ごめんなさい、エン──」


濁流のように、後悔と感情が渦を巻いて溢れ出た。


「だって……だって……私──」

「いいよ、留玖。もういいから……」


円士郎の声は優しくて、

彼の胸にすがりついて、私は大声を上げて泣いた。