恋口の切りかた

あぜ道を走って、走って、


走りながら、腰の脇差しを抜いた。


自害しようとした風佳の気持ちが、今ならわかる気がした。



自分がどこに向かって走っていたのかもわからなかったけれど、気がついたら円士郎と初めて出会った桜の木の下に立っていて、

私は泣きながら手にした脇差しを喉に向けた。


農民のままだったら、こうしてぎらぎらした刃物で喉を突いて自害することなんてなかったんだろうな、とボンヤリそんなことを考えた。

きっと死のうと思うようなことがあっても、首をくくるか入水するか、そうやって死んでたんだろうな。


ごめんなさい、ごめんなさい、エン!


私は泣きながら、心の中で大好きな人に謝って、

目を瞑って、脇差しを握る両手に力を込めて──