恋口の切りかた

平司と私は城下の町を二人で探し回り、

最近漣太郎とよく行った
水茶屋や芝居小屋の人に、

普段はあまり見かけない女の子か、
いつものように漣太郎か

どちらかが来ていないかときいてみたのだけれど──

皆、今日は来ていないの一点張りだった。



こういう時はということで、


私は物知りなおじさんを訪ねることにした。


漣太郎と仲が良い『貸元』の『親分』とかいう人で、

私も、漣太郎と遊びに行って最近知り合いになった。
この辺りのことはたいていよく知っている人だ。


このとき、なぜか平司は目を剥いていたけれど──