恋口の切りかた

「おれたちもそのくらいの覚悟はできてる」

村人の間からは、がんとした、岩みたいな答えが返ってきた。

「近隣の村とももう、話はまとまってるんだ」

「おつるぎ様!」

村人たちが私に向かって手を突いて頭を下げた。

「どうか見逃してくれ……! 」

「やだ……っ、やめて! みんな、やめて!」

私は泣きそうになって、

「だったらお前が、国の偉い人に言って何とかしてくれるのか!」

浴びせられた言葉に、凍りついた。

「結城家に拾われて、いい暮らししてるんだろ!」

「そんな立派な着物着て、おれたちが生きるか死ぬかって時でも、おまえはぬくぬくと白い米食って生きていけるんだからな」

「お前にはもう、おれたちのことなんて他人事だもんなァ」

「口ではやめろとでも、何とでも言える。やめてどうしろって言うんだ。おれたちはなあ、泣き寝入りなんてまっぴらなんだ」

「お前がおれたちの暮らしを何とかしてくれるのか!?」


私は唇を噛んだ。


国の偉い人に──


金髪の青年の顔や、父上の顔が浮かんだ。