恋口の切りかた

屋敷に戻った俺は留玖の顔を見たくて、彼女の部屋に行ったのだが中は空っぽで、今日は俺の部屋の前にも姿がなかった。

道場かと思ったが、やはり彼女はそこにもいなくて──


どれだけ留玖に会いたいんだよ、俺……!


自分にツッコミを入れつつ、とうとう奉公人を捕まえて留玖はどこだと訊くと、

「おつるぎ様ならいらっしゃいません」

という答えが返ってきて俺は戸惑った。


いないって、もう夕方だぞ?


「どこに行ったんだ?」

「それが……昼過ぎに血相を変えて町から戻られて、円士郎様をお探しだったのですが──」

「俺を?」

「はい。年貢がどうとか仰って……」

奉公人の言葉に、俺はハッとなった。


年貢──。