俺たちが評定所を後にする時、

すれ違い様に


「次はお前だ、結城円士郎」


と、清十郎は俺にだけ聞こえるような声で囁いた。


「────!?」


思わず振り返った俺の目には、

三日月のように目と口とを歪めた、清十郎の冷たい笑みが映った。