恋口の切りかた

あれから数日、


おれ──私は、母上の奈津様から武家の作法や言葉を色々教えてもらった。



寺子屋にも行きたかったけれど、村人たちの視線を思い出して、他の子供の目が怖かったし


私は結城家で一日のほとんどを

作法を教えてもらったり、
道場で稽古をさせてもらったりしながら過ごしていた。


私に気をつかってくれたのか、漣太郎も寺子屋には通わなくなり

代わりに城下町の中を案内したり
様々な場所に連れて行ったりしてくれた。


えへへ、やっぱり漣太郎は優しい。





私が『彼女』に会ったのは、

そんな、冬の寒さも幾分和らいだある日だった。