恋口の切りかた

「大河家との関係回復が不可能でも……風佳は、助けてやってくれ」

円士郎は土下座して、

「頼む」

と硬い声で言った。


私もようやく──

風佳がどうなるのか、それを思ってぞっとした。


彼女はこの国の──お殿様に継ぐ家格の家である先法御三家の嫡男を、暗殺しようとしたのだ。


「ふむ……」

父上はしばらく考えこむ素振りを見せてから、

「善処しよう」

という言葉をくれたけれど、


「しかし、儂とて、息子のお前を殺されかけて許すことはできん。

お前たちも今後、大河の家の人間と関係を持つことはできんと覚悟しておけ」


父上はそう言って今度こそ、立ち去った。