恋口の切りかた

乱暴にならないように、できるだけ優しく俺が問うと、



突然、

留玖は俺にしがみついてわあわあ泣き出した。




うっ――ええっ!?


お、おい……これ――


どうすりゃ良いんだ――?




昨晩のように思考停止しそうになるところを、


俺が何とかしてやらなきゃ、
という思いで


俺はふみとどまる。




ええと……こういう時は――


意を決して、

目線のすぐそばにある留玖の頭をヨシヨシとなでた。


すると


「平司がね、おれに負けて言ったの」


俺の決死の対応が通じたのか、留玖が打ち明け始めた。


「一度ならず二度までも女に負けるとは――武士の恥だ、って、すごくくやしそうに」


なにィ――!?


「平司、てめェ!」


俺はうずくまっている平司をにらみつけた。

続けてどなりつけようとすると、


留玖はそれをさえぎってこう続けた。


「レ……兄上も、そう思ってる?
女なんかに負けて、って――

――おれ、嫌な思いさせたのかな?


ごめんなさい、ごめんなさい、おれ……

おれ、なんで女なんかに生まれてきたんだろ?


男だったら良かったのに……」