恋口の切りかた

円士郎は細帯で、木刀と手をグルグルに巻いて固定していた。

「動かしづらいことに変わりはねえけど、これなら昨日みたいにすっぽ抜けることはねーだろ」

円士郎はニヤッと笑ってそう言って、

私はあれ? と思った。

その笑い方からは落ち込んでいる感じはしなくて、いつもの強気な彼の表情のように思えた。


円士郎が木刀をビュッと一振りして、構えた。

私も慌てて構えをとって、円士郎と対峙して、

「行くぞ!」

円士郎が吼えて、打ちかかってきた。


昨日と同じように、私はその打ち込みを受け流そうとして──


しかし、弾かれて宙を舞ったのは、今度は私の手にした木刀だった。


「俺の勝ちだな」


円士郎が、木刀の切っ先を私の喉元に突きつけた。

ギラッとして不敵な、私の大好きな顔だった。


横で木刀が道場の床に落ちて、小気味よい音を立てた。