恋口の切りかた

円士郎の命が助かって安心したら、

後遺症で、剣が握れなくなるかもしれないなんて……


円士郎が、剣術を何より大好きなことは幼い頃からよく知っている。

なのに──

彼はどんなにつらい思いをしているだろう。


そんなことを考えながら、部屋の窓から外を眺めていたら、

少し小降りになった雨の中を、遊水と隼人の傘が帰っていくのを見つけた。


一人になって、エンはどうしてるのかな……?


私はうろうろと自分の部屋の中を歩き回って──


父上からは、放っておけと言われていたけれど、

結局どうしても気になって、そっと円士郎の様子を部屋に覗きに行った。


そうしたら、


「エン……!?」


私は背中が冷たくなった。


「そんな──」


部屋の中は空っぽだった。

絶対安静にしているように言われたのに、あんな体でどこに行ってしまったのだろう。


すぐに昨日のことが浮かんで、私は走り出した。