恋口の切りかた

「よし」

俺は笑って、


「ヒヤヒヤさせんなよ……」

庭で隼人が、げっそりした声でボヤいた。


それにしても──実の妹相手に、そこまで思い詰めることができるものなのか?

冬馬を眺めたままそんなことを考えて、


俺と留玖も、血の繋がりがないだけで、

世間的には男女の仲を決して認められない兄妹か、と思った。


冬馬と風佳の関係を不義密通と言うなら、俺が留玖を自分のものにしようとしたことも血族密通(*)だしな。


もともと家族ではなくて、今は兄妹か

もともと兄妹で、今は家族ではないか


関係は真逆ではあるが──

兄弟で、同じような相手に惚れるとはな。


俺は苦笑いした。



(*血族密通:三等身以内の親族間での密通。円士郎と留玖のように義兄、義妹の関係でも同じ)