恋口の切りかた

「何なわけ?」

隼人は気味悪そうに俺を見て、苦笑の色をより一層深くした。

「自分も毒で死にかけて、斬り殺されかけた俺の話も聞いてみたいとか、そんなキョーミでも持ったわけ?」


俺は隼人のその問いには答えずに、

隼人の話を聞くうち、一瞬しかめた表情を徐々に緩めていた金髪の家老に、
視線を移した。


「あんたは……どうなんだ?」

「なにが?」

「もしも、己の正体が露見して……執政の座に居ることができなくなったら、どんな気がする?」


「おお、それはなかなか現実的な話だよな」と、隼人がボソッとこぼした。


「別に──」

金髪の男は可笑しそうに言った。

「俺はいつでも失脚し命を落とす覚悟はできている。
それだけのことをやってきたんだからな。因果応報、自業自得と思うだけだ」


うへえ、と隼人が嫌そうな顔になった。

「そこに一蓮托生で俺まで巻き込まれんのはカンベンしてくださいよ」

相変わらずのその軽口を聞きながら、



──覚悟。



二人のセリフの中にそろって出てきた言葉を、俺は胸の中で反芻した。