恋口の切りかた

「お前もこのような愚か者を気にかける必要などない。放っておけ。
留守の間にどれだけ腕を上げたか、明日は道場で見てやろう」

「────」

親父殿の言葉に、俺は奥歯を噛みしめて、

「そんな……父上、それはあまりに……!」

留玖のか細い声が襖の向こうから聞こえた。


ふとんの上に投げ出した両手に視線を落とした俺を一瞥して、親父殿は立ち上がった。


「見苦しいぞ。それでも武士か。

円士郎、確かに今の貴様には家督も道場も継がせることはできん」


そんな言葉を残して、親父殿は部屋を出ていった。


襖の向こうに、俺にかける言葉を探しているように留玖の気配が残って、

しかし言うべき内容が見つからなかったのか、やがてその気配も消えた。



一人になって、

打ちひしがれたまま、親父殿に言われたことを胸の中で繰り返して、



無様にうろたえて

情けない



「確かに──情けねえよな……」


くそっ!


俺は鉛のような手で、畳を殴った。