芝居じゃあるまいし。
実の兄妹で──こんなことが、あるのか?
留玖とのことで、俺は風佳にも惚れ合った相手がいるなら一緒にしてやりたいと思ったが……
まさかその相手が冬馬だとは──
それからは何を聞いても冬馬は申し訳ございませんの一点張りで……
俺ではないが──自害しないよう気をつける必要があると、風佳について来た大河家の女中に伝えて、
ともかく風佳を大河家の屋敷に帰して、
留玖と冬馬も部屋に戻し、
寝転がって一人で天井を見上げて、
目覚めた俺に対して冬馬が開口一番謝ってきたのはこういうわけかと、俺は今さらながら理解した。
そして、
これは、冬馬が俺を裏切っていた──ということになるのだろうかと考えた。
何があっても大切な兄だと俺に言ってきた冬馬が。
驚愕で脳味噌が麻痺してしまったのか、怒りすらも湧かなかった。
あまりに衝撃的で、
俺はしばらく自分の動かない両手のことも忘れていた。
いつの間にかうとうとしていた俺の目を覚ましたのは、
その日の夜中、耳に飛び込んできた
「晴蔵様が江戸よりお戻りになりました!」
という奉公人の声だった。
実の兄妹で──こんなことが、あるのか?
留玖とのことで、俺は風佳にも惚れ合った相手がいるなら一緒にしてやりたいと思ったが……
まさかその相手が冬馬だとは──
それからは何を聞いても冬馬は申し訳ございませんの一点張りで……
俺ではないが──自害しないよう気をつける必要があると、風佳について来た大河家の女中に伝えて、
ともかく風佳を大河家の屋敷に帰して、
留玖と冬馬も部屋に戻し、
寝転がって一人で天井を見上げて、
目覚めた俺に対して冬馬が開口一番謝ってきたのはこういうわけかと、俺は今さらながら理解した。
そして、
これは、冬馬が俺を裏切っていた──ということになるのだろうかと考えた。
何があっても大切な兄だと俺に言ってきた冬馬が。
驚愕で脳味噌が麻痺してしまったのか、怒りすらも湧かなかった。
あまりに衝撃的で、
俺はしばらく自分の動かない両手のことも忘れていた。
いつの間にかうとうとしていた俺の目を覚ましたのは、
その日の夜中、耳に飛び込んできた
「晴蔵様が江戸よりお戻りになりました!」
という奉公人の声だった。



