恋口の切りかた

「おい! 誰かいないか!」

俺は大声を張り上げて、

「いかが致しました?」

閉め切った障子の向こうから声をかけてきた奉公人に、

「今すぐここに冬馬を呼べ!」

と命じた。

「あいつに聞きたいことがある」

「は」

短い返答と共に、中間が去っていく音が聞こえ、

「ああ……! 円士郎様、円士郎様、どうかお許しください……!」

風佳が青い顔で震えた。


ほどなくして、
部屋に入ってきた冬馬は、風佳から話を聞いたと俺が告げると、風佳と同様に顔面蒼白になって畳に手を突いた。

「申し訳ございません! 兄上!」

謝る冬馬の胸の内をつかみきれないまま、

「お前は、どうなんだ?」

俺は気になっていたことを尋ねた。

「冬馬、お前自身は風佳をどう思ってる?」

この問いに対して、



「ずっとお慕い申し上げております」



畳に顔を伏せたままの冬馬から返ってきた答えを聞いて、俺は耳を疑った。


「馬鹿な! 何を言ってるんだ!?」

俺は思わず立ち上がりかけて、留玖が慌てたようにそれを押さえた。

「お前らは、二人とも血の繋がった大河余左衛門の子供だろうが!」