恋口の切りかた

冬馬は──風佳に兄だと告げていなかったのか?

俺はわけがわからずに、



声を上げて泣く風佳をぼう然と眺めて、



唐突に、


畳に伏せていた風佳が身を起こした。



その手に握られていたものを見て、


「留玖っ!!」


俺は鋭い声で叫んだ。


素早く反応した留玖が飛び込んで、

懐剣を喉にあてがった風佳の手を押さえ、その剣呑な鋼の輝きを叩き落とした。


「死なせて!」


留玖に押さえられたまま、風佳が暴れて泣き叫んだ。


「死なせて下さい!

実の兄に想いを寄せ、許嫁である円士郎様に毒を盛り──わたくしはもはや、生きているべき人間ではございません!」