恋口の切りかた

夕闇に包まれた部屋の中で

どれくらいの時間、そうして二人で抱き合っていたのか──



「円士郎様」

障子の向こうの部屋の外から奉公人の声がかかって、俺は留玖を抱く腕の力をゆるめた。


「どうした?」


顔だけ障子のほうへ向けて尋ねた俺に返ってきたのは、


「風佳様が円士郎様にお詫びしたいと、お忍びで参られました」


という言葉だった。