恋口の切りかた

「や……!」

留玖が弱々しく叫んで、俺の刀を力一杯抱え込んで


俺はそのか細い肩を包み込んで、抱き締めた。


「留玖……俺は大丈夫だ」


人に優しくするということは、己に余裕がないとできないことなんだな、と思った。

結城家に来た時、留玖は自らのつらい現実と向き合うのでいっぱいいっぱいだったはずだ。


それでも彼女は
いつも優しくて、俺に笑顔を向けてくれて──


それに比べて、どうだ。


くそ──弱ェな、俺は。


「ごめんな、心配させちまって」

震えている少女の背を撫でる。

「ばかだな。言っただろ、俺はお前を一人にして死んだりしねーよ」


俺がしっかりしないと……!

己に言い聞かせた。


「俺を誰だと思ってんだ? この結城円士郎様が、自害なんざするワケねーだろうが。
こんな腕、すぐに動くようにしてみせるって」


口の端を吊り上げて見せると、


俺の腕の中で、留玖がかしゃんと刀を落として

涙を浮かべたままの瞳で俺を見上げて、


俺にしがみついて、声を上げて泣いた。


俺は引きつった感覚のある両腕に無理矢理に力を込めて、留玖を強く抱いた。