恋口の切りかた

「エン、あのね」

留玖は俺のそばに座って、

「あのね、みんなエンのこと、凄く心配してたんだよ。
青文様も、亜鳥さんも、冬馬も……だから、早く元気になってね」

必死な様子でそんなことを言った。


留玖……


俺は天井から視線を移して、幼なじみの少女を見つめた。


考えてみると、
こいつと出会って、仲良くなれたのも剣を通じてだった。

今の俺があるのは剣のおかげだ。


幼い頃から、あの親父殿が剣を振るうところを見て育ったからなのか、

どうしてかと訊かれても理由はわからないが、

俺は本当に剣が好きだった──



ふと、枕元に置かれた自分の刀が目に入った。



トウ丸に、刀って漢字をつけてやったのも──、一番好きな言葉だったからだ。

なのに……


もう終わり……なのか?


俺は刀に手を伸ばして、触れようとして──



「やだっ! エン!」


叫びを上げて、留玖が脇差しと長刀を俺の手からひっさらうように抱え上げた。


「留玖?」


俺は驚いて、

半身を起こしたまま、
少女の行動が理解できずに、刀を抱えて俺から後ずさる留玖をぼう然と眺めた。