恋口の切りかた

「えっ……?」


びっくりしている留玖の頭上を越えて、俺の手を放れた木刀は回転しながら飛んで、

道場の床に落ちて硬い音を立てた。


「エン……?」


力の入らない両手を見つめている俺に、留玖はぼう然と視線を注いで、


「くそっ!」

俺は動かない自分の両手を道場の床に叩きつけた。


こんな……こんな腕じゃ……剣なんか振るえねえ──


「エン!?」

留玖が悲鳴を上げて俺にすがりついた。

「エン? まさか……手、動かないの……?」

震える声で留玖が言って、

「そんな……やだ……!」

泣き叫びながら俺にしがみついた。



「悪い、留玖……しばらく一人にしてくれ」



俺は冷たい道場の床を見つめたまま言った。

嫌な汗がじっとりと全身に滲んだ。