恋口の切りかた

乾いた笑いが浮かんだ。

ふらふらと布団に横になって、天井を見上げて、

「冗談じゃねえぞ……!」

何も考えられずに、目を閉じて──



再び目が覚めた時、障子から差し込む外の光は橙に色づいて、秋の陽は沈もうとしていた。



起き上がり、もう一度手を握ってみた。



恐怖が現実のものだと悟る。



両手はやはり引きつったように固まって、不自由にしか動かなかった。


「くそっ……」

俺はふらつく体で立ち上がって、

「エン?」

愛しい声が聞こえて振り返った。

襖を開けて部屋に入りかけたまま、留玖がちょこんと座ってこちらを見ていた。

「留玖……」

ふとんの上に立って少女を見下ろしていたら、大きく見開いた留玖の瞳に涙が溢れてこぼれ落ちた。

「良かった……元気になって……エン、良かったよぉ……」

袖で目を押さえて泣く留玖を抱き締めてやりたかったが、俺は嫌な音を立てて鳴っている自分の鼓動を聞きながらその場に立ち尽くして、

「エン……? 何してるの? まだ起き上がったりしちゃ駄目だよ」

留玖が部屋に入ってきて、俺に歩み寄った。

「留玖……木刀を持って来てくれ」

「えっ……?」

戸惑った表情を浮かべる少女をその場に残して、俺はよろめきながら障子を開けて廊下に出た。

「いい。道場に行く。お前も一緒に来い」