恋口の切りかた

「倒れた!? な──なんでだ……!?」

「兄上が屋敷に運び込まれてから丸二日もの間、姉上はずっと不眠不休で兄上の看護を……」

「────」


衝撃を受けた。


あれから二日も経っていたのかということにも驚いたが、


留玖……

ずっとそばにいてくれたような気がしたのは、やはり夢ではなかったのか──


愛しさが津波のように押し寄せて、俺は手にした着物を見つめた。


「兄上のご容体が落ち着いて、奥の部屋からこちらへ移されるのを見届けて倒れてしまわれました」

「留玖……!」

すぐに部屋を飛び出して留玖のそばに行きたかったが、そんな俺を冬馬は必死になって押さえた。

「姉上は大事ありません!
虹庵先生の話では、ずっと気を張り詰めていて、疲れのせいだと。
今は姉上も自室でお休みに──先生は静かに眠らせておくようにと仰っていましたので……どうか!」

「────そうか──」

冬馬のその言葉で、ようやく俺は体から力を抜いて、再び布団の中に寝転がった。


天井を見上げたまま、
二日前の出来事をまざまざと思い浮かべて、嘆息した。

「俺に毒を盛ったのは──風佳か」

「……はい」

冬馬が震える声で肯定した。


わからなかった。

どうしてあの、世間知らずなお嬢さんが俺を──?


俺は殺されかけるほど嫌われていたのか?