恋口の切りかた

「死なねえよ……。死ぬかよ、ばか」

円士郎が私の頭を撫でてくれる。

「お前を一人にして、死ねるわけねーだろうが」

その腕は悲しいくらい弱々しくて、私の目からは涙がこぼれ続けた。

「俺は平気だ、留玖」

円士郎の手が私のほっぺたを優しく撫でて、彼が微笑んだ。

「エン……」

「お前がせっかく縫ってくれた着物も……着ねーとな……」

語尾が消えて、私の頬から円士郎の手が滑り落ちた。

「エン!?」

私は悲鳴を上げた。

円士郎の体が力を失って、再びその目が硬く閉じられる。

「しっかりしてよ、エン……!」

私は泣きながら呼びかけたけれど、円士郎はもう瞼を開けてくれなくて──



それから

次の日もずっと、死んでしまったかのように眠り続けた。



私は片時もそばを離れたくなくて、ずっと円士郎の枕元にいた。

「姉上、私が代わりますから」

見かねた冬馬が部屋に戻るように言ってきたけれど、

「どうか少しはお休みください。これでは姉上まで倒れてしまいます」

「いや。エンのそばにいる」

私は頑なに拒んだ。

「部屋に戻ったって、エンがこんな状態なのに休めるわけなんかないよ……!」