恋口の切りかた

思いを伝えて、震える息を吐いて、


「だから──」


これで、終わりにしよう。

諦めよう。


そう自分に言い聞かせて、



ふと、冷たい雪の日に震えながら泣いていた昔の自分が胸の中に浮かび上がった。



温かい背中に背負われて、

握りしめてくれた手の温もりに救われて、


優しい幼なじみのことが大好きだった少女。


あの頃からずっと、
親に捨てられた少女が心の中に積み重ねてきた、

彼への大切な思いの数々が作ってくれた気持ちなのに……


ごめんね。


全てを失って、たった一つ残って大事に持ち続けてきたものなのに……


この気持ちは、叶えることができない──


大好きな人と手を繋いできらきらと笑い合う思い出の中の少女が

かわいそうで、
申し訳なくて、

私は泣きながら過去の自分に謝って──





「死なないで、エン。

これからもずっと一緒にいたいよ……!」


口から飛び出したのは、固めていたはずの決意とは真逆の言葉だった。