恋口の切りかた

座敷の時が止まって、



「見損ないました、風佳殿」



震える声で冬馬が言った。




ワッと、声を上げて風佳が泣き伏した。




「これは──」

亜鳥が怒りの滲んだ表情で青文を見た。

「ああ。わかっている」

怖い顔で何かを考えこんでいた金髪の青年は頷いて、

震えながら泣いている私と、風佳を打った手を握りしめている冬馬とに視線を送った。

「おつるぎ様、冬馬様、どうか落ち着いてください。
風佳様は、このようなおぞましいことを考えるようなお人ではないはず。それはお二人もよくご存じでしょう」

青文は淡々とそう言って、緑色の瞳に風佳を映した。


「風佳様、どうか正直にお答えを。
今のお考え、あなた様に吹き込んだのはどこの誰ですか?」


風佳が、青白い顔を上げて金髪の若者を見た。

青文はその風佳の目の前に、懐から赤い小さな紙包みを取り出して見せた。


「この薬を使うように言ってあなた様に渡したのは、誰です?」


その……包みは──


見覚えのある、真っ赤な紙包みだった。


その包みを、風佳に渡していたのは──