恋口の切りかた

「そうです!」

風佳が泣きながら叫んだ。


「あの薬は、命が助かっても重い後遺症が残ると聞きました……!

だから、だから──それを死なぬ程度、ぎりぎり命を取り留める程度に飲ませれば良いと」


後遺症が残る……。


ぞっとする言葉に、私は震えが這い上ってくるのを感じた。



「毒の後遺症で不自由な身となれば──円士郎様は死なずとも、家督は冬馬様が継ぐことになります!

おつるぎ様は、円士郎様とは身分が釣り合わぬと嘆いておられましたが──

そのような体になった円士郎様とならば、添い遂げることに誰も文句は申さないでしょう!」



そんな──!


風佳の口から放たれた恐ろしい言葉に、私は凍りついて──


パン、という乾いた音がした。



冬馬が、風佳の頬を平手で打った音だった。