【剣】 自分でも信じられなかった。 まさか、おれが 結城様の養子にしていただけるなんて……! 結城様はとても温かそうな方だけれど、 「父上」とお呼びするには恐れ多くて── 急転した自分の状況に頭がついていかず、 一晩経ってもおれは夢の中にいるようにふわふわした変な気分だった。 それに、もう一つ…… 「よう。ちゃんと眠れたか、とう──じゃなかった、留玖」 「あ、おはようレンちゃ──じゃなくて、兄上」 朝食の場で顔を合わせ、おれと漣太郎はぎこちないあいさつを交わした。