盗賊を皆殺しにした子供が、結城家の養子になった。 なんでもあの結城晴蔵に、天童と言わせるほどの剣の達人らしい。 それがなんと、男ではなく娘だったという話だ──。 この噂はまたあっという間に広まり、 翌日には城下の評判となっていた。 しかし、 留玖という名で彼女を呼ぶ者はおらず、 「鬼の子」という呼称に変わって この日より先、彼女は人々から 「結城のおつるぎ様」と、 そう呼ばれることになる──。