恋口の切りかた

留玖──


昨日の今日だということもあって、俺の理性は再び見事にどこかに飛んだ。


部屋の壁に留玖を押しつけて、乱暴にならないように優しく唇を吸って

着物の襟に手をかける。


暗い部屋の中で、びくっと留玖の体が震えて──

「やっ……誰かに……見つかっちゃう……」

上擦った声が小さく言った。

「誰も来ねーよ」

俺は昨日残した印の上からもう一度、留玖の首筋に唇を這わせた。

かすかな悲鳴を聞きながら、襟元から滑り込ませた手でその中の膨らみに触れて──


留玖の体が強ばった。

小刻みに身を震わせながらも──


しかし、それでも彼女は抵抗を示さなかった。


だから俺は、そのまま彼女を俺のものにしようとして──

「あ……あのさ、男の人ってさ……」

消え入りそうな声で留玖が言ったのはこの時だった。

「い……一緒に暮らしてたら……そういうこと、したくなるものなのかな……?」

「……え?」

一瞬、動きを止めた俺に、


「え……エンは、小さい頃から、いつも私のこと助けてくれたし、
つらい時には心配してくれて、そばにいてくれて……

今、私がこうやって生きていられるのは、全部、全部エンのおかげだよ。

だから……」


俺が留玖の顔を覗き込むと、彼女は恥じらうように視線を横へと流した。


「い……いいよ、私。エンにだったら……何されても、いい」