恋口の切りかた

円士郎からもらった綺麗なかんざしを箱に戻して大事に大事にしまって、行灯の火を消して蚊帳の中に潜り込んで──

目を閉じても、大きな心臓の音ばかりが耳について

私はちっとも眠ることができなかった。


自分が何をされたのか──
何をされそうになったのか──

さすがに私もそのくらいはわかる。


でも──でも──


どうして円士郎が私にこんなことをしてきたのかがわからない。



まだわからねえのかよ。



円士郎の少し悲しそうな声が蘇って、私はぎゅっと自分の体をかき抱いた。



わかんないよ……エン……