恋口の切りかた

「え……」

するりと、慣れた手つきで円士郎が私の着物を肩から下へと滑らせて落とした。

「やっ……」

灯火の明かりの中で露わになる体を隠そうと、私は必死に着物を引き上げて前を押さえた。

「こ……こんなの……エンにとっては遊び……なんだよね……?」

私は、もつれた思考の果てにかろうじて辿り着いた答えを口にした。

結城家の当主になる人が、私なんかを本気で相手にするわけない──

「私のことなんて遊びのつもりで……」

「留玖」

私の言葉を遮って、

「本気で怒るぞ」

円士郎が私の目を覗き込んだ。

真っ直ぐで、熱っぽい眼差しが──怖くて

「留玖……」

円士郎が私の名前を囁いて、また唇同士を重ねた。


どうしよう……

どうなっちゃうのかな……


私はただ、ぎゅっと目を閉じることしかできなくて──