恋口の切りかた

円士郎の手が、私の着物の中に滑り込んで肌に手が触れて──


「やっ……」


私は急に怖くなって、身を固くして声を上げた。


「やだ……っ、エン……」


「本気で嫌だったら、俺を殺す気で抵抗しろ」


首筋に熱い吐息が触れて、


「できるだろ……お前なら……」


唇が這う感覚と一緒に円士郎が囁いて、


殺す気で──?


麻痺したように働かない頭の片隅に、円士郎の言葉がこだました。

そんなの……できるわけ……ない……


力の入らない腕で円士郎の体を押し返そうともがきながら、自分でもわからなかった。


なんで……?


嫌じゃないからなのかな。


自分でもわからなくて──


──怖かった。


「……抵抗しないんだな」

円士郎が言った。

「嫌じゃない……と受け取るぜ」