恋口の切りかた

銀色の輝きが目に飛び込んでくる。

桜の花の──繊細な透かし細工の、


かんざしだった。


前に円士郎が買って、何故か宗助からおひさが受け取っていたあの──牡丹の花のかんざしとよく似ている。


「これ……その……」


声が震えて、


思わず私が円士郎とその銀のかんざしとを見比べると、

「飾り職人に直接作らせたんだよ」

肘を膝に乗せて頬杖をついていた円士郎が、はああ、と深い溜息を吐いた。

「ほら、小間物屋が来た時、お前がかんざし見てたろ?
あれって牡丹の花だったから……」

「えっ……」

「お前が一番好きなのは、桜の花だろうが」


私は言葉を失って、手元の木箱に収まった小さな銀の桜を見つめた。


「しっかし、なんつうか……まさか、かんざし渡すだけでここまで用心されるとは……俺もつくづくガキの頃の行動を反省した……」

円士郎は情けなさそうな声で言って、もう一度嘆息した。