恋口の切りかた

「その……」

冬馬は再び言い淀んだ。


俺はあの無礼千万な侠客が、冬馬の火傷の痕についてあれこれ言っていたことを思い出した。

あの野郎、冬馬に気をつけろとか何とか言ってやがったな。


「何だよ、あいつが言ったワケのわかんねえこと気にしてたのか?」

「いえ……その、兄上が……気にされているのではと……」

「俺が?」

俺は笑った。

「俺は何も気にしてねェよ」

というか、今の今まですっかり忘れていた。

なおも深刻そうに黙り込む冬馬を見て、俺は鼻を鳴らした。

「心配すんな。あんな奴の言うことなんか放っとけ」

「ですが、その……」

何か言おうとする冬馬を遮って、

「俺はお前を信頼してる」

俺は笑みを浮かべたままで言った。

「血は繋がってなくても、俺にとってお前は大事な弟だ」

「────っ」

冬馬が、口にしかけた言葉を呑み込んで、奥歯を噛んだ。


……なんだ?