恋口の切りかた

私はあの涼しげな青年の顔を思い浮かべた。

ふうん、言われてみれば……

「確かに格好良かったなあ、あの人」

ああ言う人が、武家の娘の間では人気があるのかもしれない。

円士郎は、町では人気があるけれど……おひさにも風佳にも、ヒドい言われようだったもんなあ……。

ちょっと可笑しくなって、私はくすくす笑った。

そうしたら、

「え……!?」

円士郎の顔が強ばって、仕掛け人形の首のようにぎこちない動きでこちらを向いて……

……何だろ?

ぽけっと首を傾げる私を、円士郎はうろたえた顔で見つめた。

「や、やっぱり外出禁止だ! くそ、まだ留玖は外なんか出歩いたら駄目だっ」

「ええ!?」

円士郎がわめいて、私は声を上げた。

──なんでそうなるのっ?



うーん……

円士郎って、ときどきよくわかんない……。