私は昨日の風佳との会話が気になって、ちらちらと冬馬に視線を送りながら歩いていた。
いつも円士郎ばかり見ていてこれまであまり気にしていなかったけれど、
並んで歩くと、
冬馬の背も随分伸びていて、
体つきもすっかり男らしくなっていたことに気がついた。
でも、真面目な目つきは子供の頃からちっとも変わっていない。
そんなことを考えながらしげしげと冬馬の横顔を見上げていたら、
その瞳がこっちを向いて、私は急いで目を逸らした。
「姉上、いかがされたのですか?」
冬馬は不思議そうな声で言って──足を止めた。
私はあたふたしながら、何でもないと伝えようとして、
冬馬の視線が、私ではなくて別の方向に向けられていることに気がついた。
何だろうと視線の先を目で追うと、
武家屋敷の白塀が続く道の向こうから、じっとこちらを見つめている侍の姿があった。
数人のお供を連れて立派な格好をした、若い侍だった。
刻限は七ツを回っていた。
帰宅途中の城勤めの人だろうかと思っていると、その立派な侍は私たちのほうへと歩いてきた。
いつも円士郎ばかり見ていてこれまであまり気にしていなかったけれど、
並んで歩くと、
冬馬の背も随分伸びていて、
体つきもすっかり男らしくなっていたことに気がついた。
でも、真面目な目つきは子供の頃からちっとも変わっていない。
そんなことを考えながらしげしげと冬馬の横顔を見上げていたら、
その瞳がこっちを向いて、私は急いで目を逸らした。
「姉上、いかがされたのですか?」
冬馬は不思議そうな声で言って──足を止めた。
私はあたふたしながら、何でもないと伝えようとして、
冬馬の視線が、私ではなくて別の方向に向けられていることに気がついた。
何だろうと視線の先を目で追うと、
武家屋敷の白塀が続く道の向こうから、じっとこちらを見つめている侍の姿があった。
数人のお供を連れて立派な格好をした、若い侍だった。
刻限は七ツを回っていた。
帰宅途中の城勤めの人だろうかと思っていると、その立派な侍は私たちのほうへと歩いてきた。



