恋口の切りかた

「えっ……」

私は思わず硬直して、

「冬馬様からいただきました。……あの、秘密にしてくださいね」

頬に朱を上らせて嬉しそうにそう言う風佳は、宗助にかんざしをもらったと言っていた時のおひさの姿と重なった。

「風佳は……さ」

私はうつむいた。


「はい。なんでしょう?」

「冬馬のことが……好きなの……?」


恐る恐る尋ねて、風佳の顔を見上げた私は息を止めた。

風佳は耳まで真っ赤になっていて、


「はい……」


両手でほっぺたを押さえながら、こくりっと頷いた。


「幼き頃よりずっと、お慕いしております」


何を言えば良いのかわからなくて、風佳の顔を見つめたまま私が黙っていたら


「まあ! そうだったのですか!」


おひさの声が後ろからした。

振り返ると、運んできたお茶を私と風佳に出してくれながら、おひさはキラキラした目で私たちを交互に見ていた。