恋口の切りかた

一瞬、目を見開いて

俺は彼女とその隣にいる金髪緑眼の男とを交互に見比べて、


幸せそうな二人の姿に、抱いた疑問が解けていくのを感じた。

二人の間に何があったのかはわからないが、

彼女は伊羽家の女として、
伊羽青文の妻として

生きる道を選択したのだ。


己と──そして惚れた男の幸せのために。


「ああ、しっかと見せてもらった」


友人たちの間に確かに存在している幸福の光を目に焼きつけて、俺は満面の笑みで返し──


「これからも、見ていてくれ」


不思議そうな顔をする遊水の手に自らの手を重ねて、亜鳥は別れ際にそう言った。


見ててやるよ。


答えの代わりに俺は口の端を吊り上げて見せて、


……つうか、見せつけてくれてるじゃねェかよ。

自分と留玖の関係を思いながら二人と別れた。