恋口の切りかた

「あいつ──死ぬ気だったよ……」

俺は、眠ったままの少女のそばで
ひとりで呟いた。

「亜鳥に殺されて、今晩死ぬつもりだった……」

留玖は、どこか憎めないところのあるあの金髪の小悪党に、よく懐いていた。

彼の過去が盗賊だと知っても、俺にとっての友だと認め、自らも友人だと言ってくれた。

「あいつが武士としてそれを選ぶなら──俺にはもう、できることは何もなかった……」

明日になればきっと全てが終わっているだろう。


留玖が悲しむところは、




見たくねえよ……




「クソッ」


俺は拳を畳に叩きつけた。


……なんで俺は、あの二人を引き合わせちまったんだ──


亜鳥の正体を知って、遊水に手を引かせようとした時から
ずっと胸に抱き続けた後悔の波が押し寄せた。


「ほんと……なの……?」

震える声が聞こえて、はっと視線を向ける。

留玖の目が開いて、こちらを見ていた。

「起きてたのか……」

「うん」

留玖の細い手が、俺の手を探り当ててぎゅっと握った。

「やだよ……」

暗闇の中で、その瞳に溜まった光がゆらゆらと揺らいだ。


「嫌だよぉ──」


彼女が嗚咽を漏らして、俺の手の中でか細い指が震えた。