どくどくと、耳の辺りで鼓動のように血の流れる音が聞こえる。
私は自分の両肩を抱き締める。
ちっ、と青文が舌打ちして、
「私も、直接面識がある者は少ない。顔を見ただけでは気づかなかったが──しかし、解せぬ。
いくら仲間が捕まりそうでも、わざわざ身内を殺して逃げるなど──結束を重んじる『闇鴉』らしくない。
今の鎖鎌の男は……一味の人間ではないのか──?」
顎に手を当てて、金髪の若者は考えこむ素振りを見せた。
その口に上った言葉を、私は何度も何度も胸の中で咀嚼(そしゃく)する。
「顔を見た……?」
周囲の死体を見回して、私は声を絞り出した。
「青文様には──この人たちの、顔が……見えてるんですか?」
私は自分の両肩を抱き締める。
ちっ、と青文が舌打ちして、
「私も、直接面識がある者は少ない。顔を見ただけでは気づかなかったが──しかし、解せぬ。
いくら仲間が捕まりそうでも、わざわざ身内を殺して逃げるなど──結束を重んじる『闇鴉』らしくない。
今の鎖鎌の男は……一味の人間ではないのか──?」
顎に手を当てて、金髪の若者は考えこむ素振りを見せた。
その口に上った言葉を、私は何度も何度も胸の中で咀嚼(そしゃく)する。
「顔を見た……?」
周囲の死体を見回して、私は声を絞り出した。
「青文様には──この人たちの、顔が……見えてるんですか?」



